Coquetteは今年の6月22日に20周年を迎えます。
「バッグデザイナーになるので辞めます」と会社員を辞め、ファッションの学校に入り、紆余曲折ありながら独立した20年前。
自ら起業するのは勇気がいるけれど、それを継続する方がもっと難しく
歴代の心強いスタッフ、友人、家族、お客さまの言葉に何度励まされたことか。
20年かぁ...
バッグに関わる仕事を続ける事ができて、ようやく この仕事が私の天職だと思えるようになりました。
20年間ずっと、またどこかの一部でもコケットに関わってくれた皆さま、そしてご愛顧いただいた皆さまに本当に感謝申し上げます。
「捨てられないものを作る」
長い年月の中で最も印象に残っているエピソードがあります。
ブランドを立ち上げて6,7年後、修理依頼で届いたバッグがありました。
4年くらい愛用されたショルダーバッグ。たくさん使ってくれて革も柔らかくなり、擦れてきている部分も良い雰囲気になっています。
ショルダーとバッグをジョイントさせるところが、荷重によって擦れており補強が必要な状態でした。修理の依頼は実際に使った様子がわかる貴重なサンプルでもあります。経年での変化や負荷がかかる部分や、補強が必要になるところなど、デザインはそういったところも加味しなければなりません。
久しぶりの対面と気に入っていただいていることも嬉しく、ニヤニヤしながら確認していましたら、紙が一枚入っています。
出し忘れたであろう給料明細でした。
胸がいっぱいになりました。
この方はどれほど勇気を持って、私のバッグを買ってくださったんだろう。
バッグは決して安くはありません。
ですが、このバッグを選んでいただいたこと、捨てるのではなく修理しても使いたいと思ってもらえたこと。
それを思うと涙が溢れてきました。
その時です。これからも絶対長く使い続けられるバッグを作っていかなければならないと決意をしたのは。そして、壊れたから捨てるのではなく、捨てられないものを作らないとならない、そう強く自分に誓いました。
今でもこの出来事を思い出すと涙腺が緩むんです。
思い出すたびに初心にかえる出来事。一生忘れないと思います。
節目の記念として、イベントもいくつかご案内をしております。
6月22日(土)は、ささやかなパーティを開きます。
過去にコケットのバッグやお財布をご購入いただいた方、これから買おうかなと思っていらっしゃる方など、どなたでも大歓迎です。
15時からフリードリンクで祝い酒を振る舞っておりますので、是非お立ち寄りくださいませ。
できましたらお使いになっている、もしくは使っていたコケットのバッグやお財布などを是非ご持参いただけると嬉しいです。
お客さまのバッグの思い出やエピソードなどを一緒にお話しができると、こんな嬉しいことはありません。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
画像は過去に作ってきたバッグ達。
それぞれに想い出がたくさんあって、大切な宝物です。
これ持ってる!って方は、なかなかのCoquette通(笑