Designer's voice

ブランドを始めたきっかけ Vol.2 「バッグが売れた!」編
vol.1では本当にこれなの?という内容でした。本当です。どうしてバッグを作ると言ったのか思い出せません。 運命の決意。 ですが続きがあります。バッグを作り始めてから独立するまでには、やはり数年を必要としました。 ブランドを始めたきっかけ 「バッグが売れた!」編 自作のバッグを持ち歩く様になった私。会社にもそれで通勤します。 当時はハイブランドのバッグを持つ女性が多い会社でしたので、それどこの?と聞かれます。 どこのでもない無名のバッグ、しかも自作(笑) それはそれでかっこいいかもしれませんが、縫い方が悪くて糸が出ていたり、重いものを入れたら底が抜けたりですから、根本的に物を入れて運ぶ役割が成り立っていない。 それでも、なんだか楽しくて作っては同僚に見せ、だんだん上手くなってきたねと言ってもらえたり、私にも作ってと言われたり。皆さんお優しい。 そんな中、とても尊敬していた先輩が会社を辞め代官山でセレクトショップをOpenさせます。代官山がおしゃれスポットになった頃。NYのSOHOが注目され、倉庫を素敵に改装したお店が話題になり、セレクトショップという言葉が使われ始めたのもその頃でした。 センスが良くて、立ち振る舞いや身のこなしも素敵な先輩。一言で言うとParisが歩いている様な女性。お店の名前もフランス語でしたし。当時のおしゃれ雑誌には、毎月と言っていいほどお店が掲載されていたと思います。 で、私にバッグを置いてみないかと声をかけてくれました、そのマダムパリ。 いいんですか??お店になんて考えたこともなかったので快諾です。 早速7,8点ほど作って見てもらい、全部お店に置いてみましょうとなりました。 2ヶ月ほど経過した頃、数点売れたと連絡があります。私が作ったバッグが売れた! びっくりと嬉しさが入り混じった不思議が感覚でした。知らない誰かが持っているってふわふわした感じ。 そして言われたのが、ネームを付けたらいいんじゃない?ということでした。 バッグの内側についている織ネームですね。刻印された物もありますが、自分の名前やバッグブランド名を印として付けるのです。 こうすると、ブランドとしての責任が持て見え方も違って見える。今後もバッグを作っていこうと思うならそうしてみたら?という提案でした。 マダムパリ、バリバリの化粧品商品開発者でしたので、その視点と、お店を経営する立場からの言葉だったと思います。 ブランド、、、自分の。 ブランドという言葉をとても意識する様になります。意味も含めて。 で、速攻作りました。織ネーム。もう名前も決めていましたので。 当時から既にCoquetteです。名前の由来はまた別の機会にすることにして。 数点売れた私は気を良くします。 それに比例して自宅はどんどん生地だらけになっていくのでした。 最初の頃に作ったバッグ。
ブランドを始めたきっかけ Vol.2 「バッグが売れた!」編
vol.1では本当にこれなの?という内容でした。本当です。どうしてバッグを作ると言ったのか思い出せません。 運命の決意。 ですが続きがあります。バッグを作り始めてから独立するまでには、やはり数年を必要としました。 ブランドを始めたきっかけ 「バッグが売れた!」編 自作のバッグを持ち歩く様になった私。会社にもそれで通勤します。 当時はハイブランドのバッグを持つ女性が多い会社でしたので、それどこの?と聞かれます。 どこのでもない無名のバッグ、しかも自作(笑) それはそれでかっこいいかもしれませんが、縫い方が悪くて糸が出ていたり、重いものを入れたら底が抜けたりですから、根本的に物を入れて運ぶ役割が成り立っていない。 それでも、なんだか楽しくて作っては同僚に見せ、だんだん上手くなってきたねと言ってもらえたり、私にも作ってと言われたり。皆さんお優しい。 そんな中、とても尊敬していた先輩が会社を辞め代官山でセレクトショップをOpenさせます。代官山がおしゃれスポットになった頃。NYのSOHOが注目され、倉庫を素敵に改装したお店が話題になり、セレクトショップという言葉が使われ始めたのもその頃でした。 センスが良くて、立ち振る舞いや身のこなしも素敵な先輩。一言で言うとParisが歩いている様な女性。お店の名前もフランス語でしたし。当時のおしゃれ雑誌には、毎月と言っていいほどお店が掲載されていたと思います。 で、私にバッグを置いてみないかと声をかけてくれました、そのマダムパリ。 いいんですか??お店になんて考えたこともなかったので快諾です。 早速7,8点ほど作って見てもらい、全部お店に置いてみましょうとなりました。 2ヶ月ほど経過した頃、数点売れたと連絡があります。私が作ったバッグが売れた! びっくりと嬉しさが入り混じった不思議が感覚でした。知らない誰かが持っているってふわふわした感じ。 そして言われたのが、ネームを付けたらいいんじゃない?ということでした。 バッグの内側についている織ネームですね。刻印された物もありますが、自分の名前やバッグブランド名を印として付けるのです。 こうすると、ブランドとしての責任が持て見え方も違って見える。今後もバッグを作っていこうと思うならそうしてみたら?という提案でした。 マダムパリ、バリバリの化粧品商品開発者でしたので、その視点と、お店を経営する立場からの言葉だったと思います。 ブランド、、、自分の。 ブランドという言葉をとても意識する様になります。意味も含めて。 で、速攻作りました。織ネーム。もう名前も決めていましたので。 当時から既にCoquetteです。名前の由来はまた別の機会にすることにして。 数点売れた私は気を良くします。 それに比例して自宅はどんどん生地だらけになっていくのでした。 最初の頃に作ったバッグ。

オリジナルの素材について
ブランドを初めたきっかけvol.2は後日続きを書くことにしまして。 さて、独立して真っ先に取り掛かったのは、オリジナルの革を作ることでした。 どこにもない、世の中に出ていない革でバッグを作る。 まだ何者でもない、バッグブランド立ち上げましたと言っているだけで、 世の中にはハイブランドから新進気鋭のブランドまでバッグで溢れている。 新参者の私が、自分でデザインしたバッグですと自信を持って言えるには 「オリジナルの革を特徴にする」それが最初にやるべきことと決めていました。 さて、革、作ってくれるところを探し出します私。まだそこです。 革は革屋さんで買うもの、まずは革屋さんに行ってみよう。 訪ねて行けるお店は個人でも買えるお店でしたので、みんなが買えるわけです。 趣味の方も買える。 実際に並んでいた革は既に大手のバッグブランドでも使われているものもたくさんありました。 使っても良いから売っているのですが、どこかで見たことあると思われたくない。 でも他を知りません。 恐る恐る聞いてみます。 質問返しで、どんなバッグを作っているの? これからです。 バッグの会社に勤めていて独立したの? いえ、全くの異業種からです。 場所を変え、革問屋さんを変えても同じ質問の繰り返しです。うちじゃあ難しいと思うよ。丁寧にお断りをされることの繰り返しです。 今思えば革のことを知らない素人が無謀なことを言っていると思っていたでしょうね。 この中から選んだら?これじゃダメなの? 作りたいイメージははっきりしていても革の知識が全くなかったので、何が難しくて作るよと言ってもらえないのか理解できないのです。 まぁ、オリジナルで作れないこともないけどね。1000デシからならね 。(1デシ=10cm四方のサイズ。1デシ○○○円という革のサイズ表記と金額の単位) やっと理解できました。まず最初にクリアすべきはロットの問題だ。難しさはそれだけではありませんが、工場の機械を動かすためにはある程度の量が必要なのです。革のロット、初耳です。 少し大きめのバッグ1本に80から100デシくらいだとして 1000デシですか、、、それは色込みですか?? いやいや1色1000デシ。3色3種類くらい作るなら3倍ってことだよね。 1000デシあれば8本から10本少し大きめのバッグが作れます。1種類1色ならともかく、3種3色作るとしたら9000デシ。...
オリジナルの素材について
ブランドを初めたきっかけvol.2は後日続きを書くことにしまして。 さて、独立して真っ先に取り掛かったのは、オリジナルの革を作ることでした。 どこにもない、世の中に出ていない革でバッグを作る。 まだ何者でもない、バッグブランド立ち上げましたと言っているだけで、 世の中にはハイブランドから新進気鋭のブランドまでバッグで溢れている。 新参者の私が、自分でデザインしたバッグですと自信を持って言えるには 「オリジナルの革を特徴にする」それが最初にやるべきことと決めていました。 さて、革、作ってくれるところを探し出します私。まだそこです。 革は革屋さんで買うもの、まずは革屋さんに行ってみよう。 訪ねて行けるお店は個人でも買えるお店でしたので、みんなが買えるわけです。 趣味の方も買える。 実際に並んでいた革は既に大手のバッグブランドでも使われているものもたくさんありました。 使っても良いから売っているのですが、どこかで見たことあると思われたくない。 でも他を知りません。 恐る恐る聞いてみます。 質問返しで、どんなバッグを作っているの? これからです。 バッグの会社に勤めていて独立したの? いえ、全くの異業種からです。 場所を変え、革問屋さんを変えても同じ質問の繰り返しです。うちじゃあ難しいと思うよ。丁寧にお断りをされることの繰り返しです。 今思えば革のことを知らない素人が無謀なことを言っていると思っていたでしょうね。 この中から選んだら?これじゃダメなの? 作りたいイメージははっきりしていても革の知識が全くなかったので、何が難しくて作るよと言ってもらえないのか理解できないのです。 まぁ、オリジナルで作れないこともないけどね。1000デシからならね 。(1デシ=10cm四方のサイズ。1デシ○○○円という革のサイズ表記と金額の単位) やっと理解できました。まず最初にクリアすべきはロットの問題だ。難しさはそれだけではありませんが、工場の機械を動かすためにはある程度の量が必要なのです。革のロット、初耳です。 少し大きめのバッグ1本に80から100デシくらいだとして 1000デシですか、、、それは色込みですか?? いやいや1色1000デシ。3色3種類くらい作るなら3倍ってことだよね。 1000デシあれば8本から10本少し大きめのバッグが作れます。1種類1色ならともかく、3種3色作るとしたら9000デシ。...

ブランドを始めたきっかけ Vol.1 「本当にそれ?」編
たまのインタビューや、展示会など、ブランドについてお話をする際必ずと言ってよいほど質問されることを1回目の題材にしようと思います。 ブランドを始めたきっかけ 「本当にそれ?」編 私がまだ化粧品会社に勤務していた会社員時代。もう20年以上前だから一昔前ですね。おそろしい(心の声) 当時、流行りつつあったノートパソコンを手に入れました。まだ社内でも1人に1台パソコンが支給されておらず、プライベートで手にした私は相当浮かれていたと思います。 その頃、個人でパソコンを持っている人が何をしていたかというと、ホームページを持ち、自分の趣味や特技をアップしていました。ブログやSNSなんて無かったので、ホームページを作り何かしらをお披露目をする。随分と自分好きをアピールしているようにも思えますが、当時はそれが普通。ちょっぴりITに強い人は既にオンラインショップも開設していましたね。 ご多分にもれず、私も趣味のあれこれをアップしようと思いましたがそこはあれです。私の趣味ってなんだっけ?公然の場にお披露目できるほどの趣味なんてないよね。となるわけです。雪国生まれなので冬はスノーボードに明け暮れていましたが、すでに上京して数年が経ちボードもクローゼットに置きっぱなし。同じく特技も特になし。その時の私の心境はこう。何か趣味を見つけなければ、ホームページが作れない!そこで宣言するわけです。 「私、バッグ作る!!」 このお話をすると、すでにバッグを作っていたのだろうとか、バッグが好きだったのだろうと想像すると思いますが、全く違います。私は宣言した後にミシンを買いました。そう、ミシンが後。 そして、今振り返ってみても、なぜバッグを作ると高らかに拳を上げ宣言をしたのか全く思い出せないのです。 まさに、「本当にそれ?」な出来事ですよね。きっかけって不思議なこともあるのもです。 こうして私は、ユザワヤ、オカダヤ(手芸用品を扱うお店)にひたすら通って生地を買い、ミシンで縫うことを始めたのでした。
ブランドを始めたきっかけ Vol.1 「本当にそれ?」編
たまのインタビューや、展示会など、ブランドについてお話をする際必ずと言ってよいほど質問されることを1回目の題材にしようと思います。 ブランドを始めたきっかけ 「本当にそれ?」編 私がまだ化粧品会社に勤務していた会社員時代。もう20年以上前だから一昔前ですね。おそろしい(心の声) 当時、流行りつつあったノートパソコンを手に入れました。まだ社内でも1人に1台パソコンが支給されておらず、プライベートで手にした私は相当浮かれていたと思います。 その頃、個人でパソコンを持っている人が何をしていたかというと、ホームページを持ち、自分の趣味や特技をアップしていました。ブログやSNSなんて無かったので、ホームページを作り何かしらをお披露目をする。随分と自分好きをアピールしているようにも思えますが、当時はそれが普通。ちょっぴりITに強い人は既にオンラインショップも開設していましたね。 ご多分にもれず、私も趣味のあれこれをアップしようと思いましたがそこはあれです。私の趣味ってなんだっけ?公然の場にお披露目できるほどの趣味なんてないよね。となるわけです。雪国生まれなので冬はスノーボードに明け暮れていましたが、すでに上京して数年が経ちボードもクローゼットに置きっぱなし。同じく特技も特になし。その時の私の心境はこう。何か趣味を見つけなければ、ホームページが作れない!そこで宣言するわけです。 「私、バッグ作る!!」 このお話をすると、すでにバッグを作っていたのだろうとか、バッグが好きだったのだろうと想像すると思いますが、全く違います。私は宣言した後にミシンを買いました。そう、ミシンが後。 そして、今振り返ってみても、なぜバッグを作ると高らかに拳を上げ宣言をしたのか全く思い出せないのです。 まさに、「本当にそれ?」な出来事ですよね。きっかけって不思議なこともあるのもです。 こうして私は、ユザワヤ、オカダヤ(手芸用品を扱うお店)にひたすら通って生地を買い、ミシンで縫うことを始めたのでした。

はじめに
Coquetteのデザイナー 林きょうこです。 久しぶりに、改めてブログを始めました。過去、何度かブログを書いたことがありましたが ブランドのこと、商品のこと、日々の出来事などを 不定期に綴っていこうと思います。 内容はまちまちです。 Coquetteのデザイナーってどんな人? ということが伝われば良いなと。 1日の終わり、眠る前に、何も考えないでのんびり読んでもらえたら嬉しいです。
はじめに
Coquetteのデザイナー 林きょうこです。 久しぶりに、改めてブログを始めました。過去、何度かブログを書いたことがありましたが ブランドのこと、商品のこと、日々の出来事などを 不定期に綴っていこうと思います。 内容はまちまちです。 Coquetteのデザイナーってどんな人? ということが伝われば良いなと。 1日の終わり、眠る前に、何も考えないでのんびり読んでもらえたら嬉しいです。