20年来のコケットの相棒、キツネとうさぎのゴブラン生地について書こうと思います。
この生地に出会ったのはブランドを立ち上げてすぐの頃。友人が営む生地問屋さんで見つけました。
掘り出し物ボックスの中に、ひょっこり動物の顔が見え
んんん??これは!!
3,4m位あったでしょうか。
お花や風景画は目にしますが、こんな動物柄のゴブランを見たことがない!!
キツネもうさぎもキュート過ぎない表情で、どこかヨーロッパの雰囲気。
たくさんの色が使われているけど落ち着いたトーン。
しかも厚みがあって丈夫そう。
これ欲しいです、と即答です。
ただ、すでに廃盤が決まったデットストックなので使い切ったらもう無くなる生地。
定番商品にするには少ないけれど、何かの形にしてみたくて持ち帰ったのが始まりでした。
動物柄をどうやって使おうか、柄の配置にも気を配らないと勿体無い。
バッグより小さなお財布ならこの可愛さを生かせるのではないか、
などデザインを開始しました。
そして出来上がったのが「口金財布 ゴブラン」です。
かわいい動物たちがお供する、小さなハンドバッグのようなお財布。
動物の顔が切れないように配置し、どのお財布も同じ位置に動物たちがいます。
さて、発売を開始したらとても評判が良く嬉しい反応が届きました。
取っ手が付いたお財布のキュートさと、キツネとうさぎの動物たちの雰囲気がマッチして、
お取引先様から続々と追加注文が届くように。
ですが元々少なかったため、とうとうお財布の在庫もなくなってしまいます。
そんな中、お取引先様から追加発注したいのだけど継続はしないのですか、と打診がありました。
当時はまだ始まったばかりのブランド。
すでに廃盤になっている生地を再生産するなんて、そんな力は私にはないのです。。
ですが、そこは知り合い(笑
無謀なお願いにも耳を貸してくださって、再生産をしてくださることに!
ただし、縦糸が入っている時に、との条件です。
ゴブラン生地を織る機械は縦色と横糸をセッティングするのにとても労力と時間を使うそう。
私の依頼だけで大掛かりなセッティングは難しいので、他の会社さんがゴブランをたくさん織っている時に便乗させてもらえることになりました。
こうして再度生産が可能になったゴブラン生地。
ですがその数年後、時代の流れの中、縦糸が掛けられることも減り
とうとうコケットだけのためにこの機械を動かさなければならなくなりました。
これは、たくさんのロット抱えることでもあります。
かなり悩みました。年々コストも上がってきています。
○反だと、お財布だと何個作れる??
気が遠い数量です。
廃盤の危機。。
頭をよぎりました。
ちょうどコケットの会社として世に送り出していくバッグを見直しを検討していました。
ゴブランのイメージだけではなく、
成熟した大人の方々に向けてバッグを作っているブランドとして成長していきたい。
一方、コケットといえばこのゴブラン生地だよね、とイメージを作ってくれた大切な相棒でもあります。
「可愛いだけではない存在感」のあるBAGも作っていく!
ラインナップを見直し、ゴブランも継続させながら
と腹を括り生産継続することに。
こうして存続が決まったゴブラン生地は
口金のお財布を8年使用しています、と言うお客さま
ーーゴブラン生地の目がぎゅっと詰まっていて、ほころびにくいんです。本当に。
30代の頃自分用に使っていて、今は高校生になった娘にプレゼントしようと思います。
ーー2代に渡って使っていただけるなんて感激。
ゴブランハンドバッグを友達とお揃いで持とうと思います。
ーー海外のお客さま。この可愛さは万国共通ですね。
私たち作る側の人間は、さあ行ってこい!と送り出した後の世界を知ることが少ないです。
SNSが活発になって画像をアップしてくださる方はいても、全てではない。
8年使ってアンティークのようになって、それはそれでかっこいいお財布も、
プレゼント用にラッピングしてお渡しする時の、お嬢さんを思うお母様の気持ちも
海外に旅立って行くゴブランハンドバッグのドキドキも
たくさんの気持ちを体験させていただいています。
長く作り続けることって、こう言うことなのですね。

画像はお客さまからお借りした8年使ったお財布。
これからも、この大切な相棒をどうぞよろしくお願いいたします。
ゴブラン生地の商品たちはこちらから。