ブランドを始めたきっかけ vol.5 「私、バッグデザイナーになります!」編

vol.4では、初めて出展した合同展示会での散々な結果に打ちのめされたお話でした。

ブランドを始めたきっかけ 「私、バッグデザイナーになります!」編


ご来店されたお客さまに、ブログ見ていますとお声をかけていただくことが増えました。ありがとうございます。
バッグデザイナーになる前の話が長過ぎて、まだデザイナーになっていない(笑)

今回は、ようやくバッグデザイナーになると決心したお話です。

深い湧き水を覗き込んだ時、いくつもの色が重なり、奥行きが綺麗に見えることがあると思います。
経験や年齢を重ねることは、まさにそのようなことなのだろうと、今になって思います。
私にとっては、会社員時代の経験は自分に奥行きという自信を作ってくれた、かけがいのない年月でした。

ちょうど30歳か31歳くらいだったかと。
バッグの世界に飛び込んでみたい、という気持ちが日々募っていきます。それは、悔しさからくる気持ちです。
展示会で打ちのめされたあの気持ち。
いつか本気でチャレンジしてみたい。
そう思うようになっていました。

社内では、いくつかのブランドやプロジェクトを経験させてもらっていました。
落ちないつかない口紅、という口紅が空前の大ヒットした翌年です。
私は会社を辞める決意をしました。
関わったブランドや商品がヒットするととても嬉しい。

燃え尽きた、というよりも
もう、いいかな。
そう思うようになりました。

ある日、とうとう私は上長に伝えます。

「課長、お話があるんです」
「お!きょうこちゃん、私もあるんだよ」(会社ではそう言われていました)
ドキドキしながら、別室へ行きまして

お先にどうぞ、と言われます。

「私、バッグデザイナーになるので、会社を辞めます」
「え・・??? え、そうなの??」

上長、バッグを作っていることは知っていましたが、本業にすることはどういうことなのか、少しバッグについて話をしたと思います。

すると上長

「やりたいことが見つかるって、こんなに素晴らしいことはないよ!
わかった、僕の話はもういいから、僕もこの後色々調整で動かなくちゃならないから、わかったよ、ひとまずそれじゃ!」

と、足早に立ち去っていきました。
あれ、こんなにあっさりしているのか?

上長からのお話というのは、薄々知っていました。
もし、そのお話をこの一年前に聞いていたら、私は会社を辞めていなかったかもしれません。
そして、今もまだ会社員だったかも。
運命ってわからないものですね。

そして、意外にもあっさりと退社することを承諾してもらい
残りの日々を淡々とこなし、この後に待ち受けている楽しいであろう日々を想像しながら過ごします。
(この時はまだ、とんでもない世界に飛び込んだことを知る由もない)

上長と同じく、印象的だった同僚の言葉は、今でも心に突き刺さっています。
「やりたいことが見つかって、良かったね」
みんな会社の中で葛藤しながら、それでも仕事をしているのです。
やりたいことだらけではない。好きなことだけでもない。
そんな中でも、やりがいを見出して日々頑張っている。

 

自分の手で、本当に作りたいものを作ってみたい。
それしか考えていなかったです、その時。
組織が大きいとボリュームゾーンを意識しなければなりません。
それが自分の意思や嗜好とは違う場合もあります。

やりたい事が見つかるというのは、難しい事ですね。実際は。
だから、私はラッキーだったと思います。
そのように気づかせてくれた言葉があったから。

こうして会社を辞め、いざ、茨の道へと突き進んでいくのでした。