お久しぶりです。Coquetteの林です。
しばらくブログの更新ができていませんでしたが、また少しずつ発信を再開していこうと思います。
今回は、少し前に作ったバッグ「イザベル Boston Bag」について。
ちょっと熱く語ってしまいそうなので、夜に読んでもらえると嬉しいかも。
その時はぜひお酒も一緒にね笑
たまにこういうバッグを持ってお出かけしたくなります。
国内の展示会によく出展していた時の事。当時のコレクションではクラッチバッグをよく作っていました。お出かけする時に持って欲しいと思って作ったサンプルたち。
だけど、どこに持っていくのかと聞かれることがあまりに多い。
何を入れるか、どこに持っていくか、この大きいポケットには〇〇を入れて、ここにはこんな物が入ります、っていう説明がない、たいして物が入らないクラッチバッグへの質問の多さよ。
そんなにクラッチバッグって影に追いやられるもの? クラッチバッグの全てに意味って必要かな?
パーティに行くことが非日常だからあまり需要がないと聞けば確かにそうだけど、バッグの役割が全て日用品にカテゴライズされているのもなんだかなーって。
コケットは商品としてバッグを作って販売していますが、バッグを持った時に心が華やぐ気持ちや、鏡を見た時にいつもと違う表情になる自分を見た瞬間の感動、それらを提案したかった。
便利さを売るのではない、わくわくと心が動く事を売りたいんです、って。
個展を開いた時「鏡の中に映る自分」をテーマにした。
バッグを持った姿を見て新しい自分を発見するストーリーを、大きな鏡を使って昼と夜の空間を作りインスタレーションで表現した。 このバッグはその時大活躍したボストンバッグ。クラッチではないが逆に大きいし普段持つ物ではない。だけど手に持ってそこら辺を2、3歩歩いてみるだけで不思議と優美でエレガントに振る舞える自分がいる。
立ち姿までしゃんとなるから不思議だ。
そうすると、お持ちしますと、さっと手を差し伸べる人が現れ新しいステージに連れて行ってくれるかもしれない。そんな事を想像する。
そんなバッグ、イザベルです。
*書き終えて
数年経過した今、バッグを取り巻く環境は大きく変化しました。資材の高騰や高齢化による廃業など。このバッグは全く同じものを作ることができなくなってしまいました。
自分の思いを伝えたくて作ったバッグでしたが当時としても思い切った実現だったな、と振り返って驚く自分がいます。
数える程しか生産しなかったのでご購入いただいた方のお顔は覚えています。
ゴルフの時に持って行くと仰っていた方々、そして林の母(笑
是非店頭で。
もしくはこちらにお問い合わせください。